■ 急性経口毒性試験
化学物質の用量と有害作用の関係を明らかにすることにより毒性の程度を決定する試験である。 単回投与試験とも呼ばれる。化学物質を1回または24時間以内に複数回で経口投与することにより、 短期間に生ずる有害作用を、LD50値(半数致死量)により明確にするとともに、 毒性症状及び剖検所見から毒性の種類、持続性、回復性、標的臓器に関する情報を得ることができる。
■ 皮膚一次刺激性試験
皮膚に接触した化学物質が、 その局所に湿疹あるいは接触性皮膚障害などの刺激作用を与える可能性を評価する試験である。 一次刺激とは化学物質を1回適用した場合に局所の障害を現すことを示し、 皮膚が刺激に反応し炎症を起こす時は、充血、浮腫、水泡形成、 さらに強く反応すると損傷形成や化膿などを生じる。
■ 皮膚感作性試験
感作性とは化学物質に何回か接触または暴露された結果、 その後の同化学物質適用時に局所に特異な反応を現わすことを意味する。 感作刺激反応が一次刺激反応と異なる点は、感作刺激反応は、 必ずしも化学物質の適用部位に現れるとは限らず、しばしば遠隔部位に、 時としては化学物質の局所適用後に全身の反応として発現することである。
■ 変異原性試験(復帰突然変異試験)
変異原性試験は、遺伝子突然変異、 染色体異常及び一次DNA損傷などの種々な遺伝学的指標を調べる試験である。 試験方法は一般的に遺伝的突然変異性を指標とする細菌を用いる復帰突然変異試験が行われ、 特にAmesテストとして呼ばれるネズミチフス菌を用いる復帰突然変異試験は代表的な試験である。